「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール 」(扶桑社)渋谷 直角 (著)


~紹介した「みずしま」(男性)の記録 ~
(2015年8月22日読書会にて)

51YViuPlCAL スキャン0001

主催者の感想というか勝手な妄想というか戯言


この本は、僕が持参したもの。

まずはじめに言っておくとこれは漫画である。

内容紹介

「ボサノヴァカバー」で世を震撼させた渋谷直角の最新長編漫画!

自意識の不良債権を抱えた男女たちの葛藤を生々しく描き話題を呼んだ怪作「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」から2年。渋谷直角の最新長編漫画がついに発売!

奥田民生に憧れる35歳のライフスタイル雑誌編集者・コーロキは、仕事で出会ったファッションプレスの美女・天海あかりにひとめぼれ。

しかし、それがコーロキにとって地獄の始まりとなるのだった……。

もう決して若くはないとはわかっているけど、仕事で迷い、今後の人生を憂い、うっかり恋に狂ったりもする……いつになったら、奥田民生みたいに「力まないカッコいい大人」になれるのか?

青春の最後の最後の残りカスのなかでもがき苦しむover35男たちの人生迷走曲!

AMAZONより

内容紹介と重複するが、改めて自分なりにまとめると、

奥田民生好き雑誌編集者コーロキ君が、オシャレなライフスタイル雑誌に配属され、さらに美女のあかりと恋愛関係になったものの、その彼女は、出会う男全てを狂わせガールだったという話。

最後のオチは、壮絶で思わず目を背けたくなる。一つだけいっておくと、血しぶきブッシャ―!!やめてぇーってな具合でスプラッター的な感じになる。

この本を手に取ったきっかけは、たまたま本屋に平積みされているのに目が止まり、帯をみてみると、宮沢章夫(劇作家)がこのように寄稿していたからである。

けっして、「ああ、こういうやついる」と人ごとだと考えてはいけない。

登場人物はあなた自身だし、私のことでもある。

身につまされ面白いと口にする者だけが、これを面白いと感じる。

宮沢章夫といえば、2014年にNHKで放送された、「ニッポン戦後サブカルチャー史」の続編として2015年10月2日より、「ニッポン戦後サブカルチャー史II」が放送されるようなので、お見逃しなく!!

なんの利益にもならない宣伝はこれぐらいにしよう。

その他にも帯文にはこのように書かれていた。

【伊賀大介(タイリスト)】

これは、俺たちの『さくらの唄』である!! 読めばわかるっ!!!!!

【佐々木貴江(青山ブックセンター本店)】

見慣れた書店が出てくると思ったら……渋谷さん!うちの店で何てことしてくれたんですか!

【山内マリコ(小説家、エッセイスト)】

「君、あんまり誰かを崇拝するのは、自分の自由を失うことだよ」という(わたしのツイッターのTLによく流れてくる)スナフキンの名言を、コーロキくんにも捧ぐ!

【天久聖一(漫画家、アニメーター、アニメーション監督)】

「ボサノヴァカバー」で世間に向けた毒刃を今度は全て己に向けた傑作!

【伊野尾宏之(伊野尾書店)】

渋谷直角のマンガの最大の特徴は恐ろしいまでに書き込まれたディティールにある。
「神は細部に宿る」という言葉があるが、まさしくこのマンガはまんべんなく神が宿っていて、その様子はもはや「神がいるのが普通」みたいになっている。

【江口寿史(漫画家、イラストレーター)】

漫画のようであり文学のようでもあり、でもどちらとも違うような。
両方の遺伝子がぐちゃぐちゃに合わさったキメラのような全く真新しい創作物だと思いました。

ここまで、書かれていたら読まざるを得ないわけである。だから、買ってしまった。

タイトルが、魅力的だったということもある。だって、「奥田民生になりたいボーイ」だよ。こんなタイトルたまらない。

「僕らの自由を~僕らの青春を~大げさに言うのならばきっとそういう事なんだろう~(^^♪♪♪」

購入して、家までの道すがら、民生の歌を口ずさんでいたことは言うまでもないだろう。

手も洗わずうがいもせず、お気に入りの椅子に座り、早速読み始めて、30分ぐらいで読み終わり、

「これは、おれじゃない、おれじゃないんだ!!」

”もうあちこちだめんなったさびかけのボディーだ。だけど、そのエンジンはまわりつづけていた。”

気持ちは完全にトリッパー状態。

カスタムメイド的な話かと思ったが全く違った。

これは、2005年に公開された木村カエラ主演の「カスタムメイド10.30」という映画で、奥田民生の実際のライブを聞きに来る人の背景に実はこんなドラマ(フィクション)が動いていたという物語である。

一見とってつけたような作品だが、わりと好きである。この手の、実際のライブを背景としてという映画は結構ある。

古くだと、1964年に公開された「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! 」だろう。

最近だと、2011年に公開された、「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」という作品がある。

この作品も、かまってちゃんのライブを聞きに来る人には、こんな物語があるというような構造だ。

観終わると、張り付けた予告編の最後に二階堂ふみが「よっしゃ!!」と言うように、そんな気持ちにさせてくれる。

だが、「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール 」は、全く違う。

隠していたエロ本が、なぜか自分の机の上に置かれていて、絶対母親が掃除のときにみつけてここに置いたんだろうという、底知れない苛立ちを覚えつつも恥ずかしくて怒れない感情みたいなものが沸き上がる。

この表現、分かる人には分かるだろう。

だが、分からない人には何も分からないと思う。

だけど、伝えたいことがそりゃ僕にだってあるんだ・・・・

 

おわり

本の行方


みずしま→→→→→南里

 

奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール
渋谷 直角
扶桑社
売り上げランキング: 9,263