「何者」 (新潮文庫) 朝井 リョウ (著)


~紹介した「南里」(男性)さんの記録 ~
(2015年8月22日読書会にて)

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南里

主催者の感想というか勝手な妄想というか戯言


この本は、自分のもとにやって来た本である。なので、もちろん読んだ。

著者は、朝井 リョウ。いままでに、「桐島、部活やめるってよ」「星やどりの声」を読んだことがある。

それらの作品では、「それ、あったあった!!」というように共感してしまう要素が数多く詰め込まれていたという印象がある。

さて、「何者」である。まず、ページをめくるとこのようなものを目にする。

asairyou

多くの人が分かると思うが、これはtwitterのプロフィールである。これが、この物語の登場人物紹介であり、このtwitterが重要な役割を占めている。

「何者」の単行本が発売されたのが、2012年11月30日。

その同年、3月7日に”SALU”というラッパーがデビューアルバム「IN MY SHOES」を出す。

その中に、「The Watcher on Woods」という曲がある。

このリリックが、「何者」を読み終えてシンクロした。一部分を引用しよう。

If you want to know about me

you can call me SALU like my dougie

いつでも君が欲しい時にCall me

okay,そのモニター越しにTalking

お隣さんも見たことない

でも存在はしってるお互い

このユーザー見たことない

でも存在は知ってるお互い

隣の人、耳にイヤホン

目線は下で手元にスマートフォン

通りを望む 街の雑踏

WEBの森には無数のアカウント

Im a watcher on a wood

この森には姿はない

Im a watcher on a wood

ただ混沌と増すアイコン

You just type by your keyboard

情報は山ほどあるけど自分の目で探す

This is why Im a watcher on a wood

SALUの音楽を初めて聞いたとき、「何者!?」と思い、フロウのカッコよさで、一気に好きになった。

最近のSALUの曲も載せておこう。

朝井リョウの「何者」が発売されたときは、twitterがやや盛り下がってきたぐらいのときだろうか。

それに変わって現れたのがLINEだ。

2つの違いは、オープン(twitter)であるかクローズド(LINE)であるかだ。(twitterの鍵垢は置いておいて)

facebookは、オープンのほうに入る。

ただ、facebookとtwitterの違いとして、実名であるかそうでないかだ。

facebookのほうは、もちろん匿名でもできるが、それだと誰からも相手にされないので、実名での登録がほとんどである。

一方、twitterは匿名でも相手にされるので、実名である必要はない。

ここからは、あくまでも、私的な意見と予め言っておく。

3年ぐらい前にfacebookでちょくちょく投稿しだしてみて、他の人のタイムラインなんかも覗いてみると、なんかこれは違うぞという気持ち悪さを感じた。

それは何かというと、飲み会でみせる友達の言動と投稿している内容が伴ってないこと。

飲み会では、下ネタしか言ってないのに、facebook上ではクソ真面目なことしか投稿していない。

だから、本当の彼を知らない人に「こんな奴じゃないんだよ、こいつは羊の皮を被った狼だよ!!いいねなんか押しちゃだめだよ」と言いたいところだが、それは無理なわけで、なんかすごいムカついた。

僕の投稿も、それなりに”いいね”は押され、ちょっと真面目なことを書くとその量は少なからず増えた。

それで、いろいろとタイムラインを見てみて、圧倒的に”いいね”を得られているのが、ラーメンの画像だということを知り、僕もラーメンの画像を投稿してみたところ、いままで以上に”いいね”を貰えた。

でも、僕はラーメンが嫌いである。こんな、嫌いなものを投稿してるようじゃ、飲み会で下ネタしか言ってないクソ友達がfacebook上でいい子ぶるのと一緒だと嫌気がさし、あいつとは違うんだということをみんなに知らしめるために、

ソフトオンデマンドことSODさんの素晴らしき発明、男ならみんな大好きのTENGAについて書かれた記事をアップしてみた。

ちなみに、こんなやつ。

「コミュニケーションツールとしても秀逸です。」古川 潤哉 (浄土真宗本願寺派 僧侶)

最初は、面白がって”いいね”を押してくれる人が1人ぐらいいたが、日を追うごとに誰からも”いいね”が押されなくなった。

そこで、ちょっと悲しくなって、ラーメンの画像をアップしてみると、誰からも”いいね”が押されなくなってしまった。

つまり、あいつを”いいね”するメリットはないということなのだろう。

教訓として、TENGAの情報はfacebookにアップしてはいけないということだ。

※これから、TENGAのことをアップしようとしている人は気を付けて下さい。確実に友達が減ります。

facebook上では紳士的な振る舞いが共感を得られる。それは、実名だからこそだ。

では、twitterはどうだろうか。

バカッター、と呼ばれる行為が一時期流行った。

これは、過激な行為をtwitter上にアップすること。

例えば、コンビニのアイスの冷凍庫の中に入ったり、店員を土下座させたりなどなど。

中には、その行為のせいで、お店が閉店ガラガラになってしまったところもあるようだ。

でも、これが微妙なのは、この行為をアップしている人は、twitterのフォロワーの友達へ武勇伝を紹介しているような感覚だろうから、実名か匿名かは関係ないのかもしれない。

ただ、オープンなSNSだから、いろんな人がそれをみることができ、称賛する人も中にはいるが、圧倒的に否定的で正義感が強い人が多いということ。

だから、twitterにあげなければ、20年後、会社の部下とかに、

「昔おれもさんざん悪さしたけどな、例えばコンビニの冷凍庫の中に入ったりしてよー」

「先輩、まじカッコいいっす!!」

なんて、会話が成立したはずだ。たぶん。

こういった、ある種の反社会的行為は簡単に制裁を受けるということもあってか最近はあまりこの手の話題は聞かない。

そのかわりといったらなんだが、イチャつくという行為をアップすることが、流行っているらしい。

女子中高生が熱狂する「ミックスチャンネル」 10秒動画アプリで自己表現する時代 (東洋経済オンライ)

実際の”MixChannel”をみてもらえば分かると思うが、とにかくイチャついているものが満載である。

こういったものに、疑問を感じる大人は、

「どうせ、別れるだろうし、後々残るんだから恥ずかしいぞ!!」

なんていうだろうが、それはこういったものに触れていなかった世代の考えで、

生まれたときからスマホがある世代は、スマホと現実世界に区別はなく、その辺でイチャついているのと同じ感覚なのかもしれない。

ただし、これは表の明るく楽しい世界であり、表があるということは必ず裏がある。

その裏は、スターウォーズのダークサイドではないが、とんでもないものが潜んでいる。

そのとんでもないものを思わず吐き出してしまえるのが、ネットというものではないだろうか。

「何者」を読み終えてそんなことを考えてみた。

おわりの前にSALUの曲をもう一曲

本の行方


南里→→→→→みずしま

 

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