「鹿男あをによし」著:万城目学(幻冬舎文庫)


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「鹿男あをによし」著:万城目学(幻冬舎文庫)紹介してくれた、“Y.Tさん”のお話を聞いて。


 

今回の交換読書会で紹介してくれた本は全て購入して、「鹿男あをによし」については、この文章を書く前に読み終えることができたので、少しばかり、ストーリーを踏まえて書くことが出来るだろう。(結果的にはあまり踏まえていなかった・・・・)

読書会で、鹿男!?タイトルを聞いて、「ザ・フライ」(デヴィッド・クローネンバーグ監督)のように、それはおぞましい僕好みの、ホラーかと期待していた。

 

 

だが、違った。全くもって違った。

ディズニー作品を観ているかのような、神話的な匂い、ハラハラするような活劇、そして、可愛らしい恋。そんなものが凝縮されていた。その密度は濃厚で、一度読み始めたら、本を閉じることが出来ず一気にページをめくって、気付いたら終わっていた。

紹介してくれた、Tさんは、この物語の舞台、奈良(平城宮跡)へ実際に行ったことがあるそうだ。つまり、聖地巡礼ってやつだ。なんともうらやましい限りである。

聖地巡礼で思いつく作品がある。大林宣彦監督の尾道三部作と呼ばれる「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」だ。少々、古い作品なのだが、これらを観ていると、どうしてもそこに行ってみたくなる。そしてそこで思いを馳せたくなる。これらは、映画なので、その聖地(ロケ地)のイメージは目で見た映像として記憶されている。実際にその場に行ったら、「そうそう、ここがあの場所だ」というように、頭に残っている映像と確認し納得することが出来るだろう。それが、目で見た映像ではなく、文字から想像した映像だったらより感動的に、もしかしたらガッカリすることだってあるはずだ。それはそれで楽しそうだ。

小説を読み終えるとは、最後のページまで本を読んだから終わりだと一概に言えない気がする。“物語を人に話して終わり”“本をだれかにあげて一緒にその内容について語って終わり”“毎年かならず1回、死ぬまで読み続けて、死んだら終わり”そして、“物語の舞台になっている場所に行って終わり”様々な完結の仕方があると思う。

こうやって、書けば書くほど、奈良に行きたくなってきた。そして、鹿せんべいを食べて、「びい」と言いたい。

 

本の行方


 

  • Y.T→松永