「質問力」(ちくま文庫)斎藤 孝 (著)


紹介した「K」(男性)さんの記録 ~
(2015年9月20日読書会にて)

411r+AbeFZL K

主催者の感想というか勝手な妄想というか戯言


この本の著者は、斎藤孝さんという方で、明治大学文学部の教授をされています。数多くの著作があり、私も一冊だけですが、2002年に出版された「読書力」を読んだことがあります。10年以上前なので正直なところほとんど覚えていませんが、読書の楽しみ方とでもいえばいいんでしょうか、そんなものを学ばせて頂いたような気がします。

そういえば、私が傾聴しているTBSラジオの「たまむすび」の金曜日のコーナーその筋の話に、斎藤孝さんがゲストでお話されていました。

これを聞いて、テレビのコメンテーターでお話されている斎藤孝さんの佇まいとは裏腹に武闘派な一面があるということを知れて親近感が湧きました。詳しくは、お聞き頂ければお分かりいただけるでしょう。

さて、今回読書会にて登場した「質問力」ですが、内容はこのようなものです。

内容(「BOOK」データベースより)
話し上手な人というのは、ネタのおもしろさや話し方のうまさもあるが、質問がうまくて相手からおもしろい話が引き出せる、という面を必ずもっている。逆に質問がうまければ、自分に実力がなくても優れた人から情報が引き出せる。話す内容をおもしろくするのは難しいが、質問は鍛えれば誰でもうまくなる、すなわち技化できるものなのだ。谷川俊太郎、河合隼雄、村上龍、黒柳徹子、ダニエル・キイスなどの対話名人から学ぶ技。(AMAZONより

会話はキャッチボールなんて例えがありますが、確かに何かを投げなければ始まりません。その投げるボールがどういったものだったらいいのか。友達だったら意識しなくていいでしょう。ただ、会社の先輩や、営業先の人、ふと飲み会で隣になった知らない人など、あまり親しくない人だったらどんなボールを投げればいいのか迷ようことがあります。

ひとたび的外れなことを投げかけると、それはもう無残に沈黙が訪れます。

この本の中では、質問を技術として捉え、実際に質問上手な人を例にあげて書かれているようです。

私は、質問力の凄い人としてまず初めに思い浮かんだのが、”明石家さんま”さんと”笑福亭鶴瓶”さんです。

正確には、質問力というよりも話術の凄さといったほうがいいかもしれません。

私が、芸人の中で尊敬している上岡龍太郎さんはこの2人のことをこのように称しています。

「素人芸を極めたチャンピョンが、明石家さんまであり、笑福亭鶴瓶なんですよ」

この中で、テレビが登場し、芸人がどのように話術を変化させていったかということが語られています。詳しいことは、この動画をご覧頂ければと思います。

その他にも、”ダウンタウン”と”さんまさん、鶴瓶さん”の話術の違いを語っているものがあるのですが、これも面白いです。

「この番組(ダウンタウンDX)の中で、普段からあんまり会わないような映画関係の人とか、かなり年代の違う人とかと会うわねえ。いままでの大阪の芸人が東京に出て行ったときの面白味の一番の根本は、大物と組ませたときに大阪人は、凄く面白かった。とくに、さんまちゃんと鶴瓶ちゃんなんかその極端。大物の喉の下にシュッと入り込んで、私は決して悪い人間ではございません、こんなオモロイ話知ってますと言って、思いっきり下からこそばる。これをやらしたときにさんまちゃんと鶴瓶ちゃんは絶品やもんね。さんまちゃんが偉なってくると、逆にまわりの大物よりさんまちゃんが大きくなったから”さんまのまんま”なんかでも最初は来た人のために、私は決して怪しいものではありませんって一生懸命やったのに、このごろは来る客が、あっさんまさんだぁ、いつも見てまぁすっていう姿勢でくると、さんまちゃんがサービスせんでええようになるから、独特の味を出さずに終わってしまうのよね。ところが、彼ら(ダウンタウン)は決して喉の下に入ってコチョコチョせぇへんタレントやんね。大阪やけど。来たやつをいきなり頭叩いたり、アホか、おっさんと言ってしまうすごさね」

誰もが知っているかのように上岡龍太郎さんを取り上げていますが、恐らく多くの方は、「いったい誰なんだ?テレビに最近出てないじゃないか!!売れてない芸人だろ!!」なんて思うかもしれません。

それもそうでしょう。2000年3月に芸能界を引退したからです。

こうやって、引退をし綺麗さっぱりとテレビの世界、芸人の世界から身を引いた人はこの人が唯一でしょう。

いまでは、youtubeの中でしかお目にかかることが出来ませんが、2013年に「上岡龍太郎 話芸一代」(戸田学著)という本が上梓されました。

上岡龍太郎 話芸一代

これは、かなり名著です。といっても、私のようなマニアでなければ、凄さなんか分かるはずもないでしょうから、お勧めはしません。

この本の中でも取り上げられているのですが、上岡龍太郎さんと、鶴瓶さんが行っていた番組、「パぺポTV」というのがあるのですが、この番組が、立ち話のフリートーク、いまでいうと「さまぁ~ず×さまぁ~ず」や「にけつッ!!」の原点といっていいでしょう。

この「パぺポTV」でのそれぞれの役割を、「上岡龍太郎 話芸一代」の著者、戸田学さんはこのように考察しています。

笑芸作家・香川登枝緒の説に漫才人間(漫才型タイプ)と役者人間(役者型タイプ)がコンビを組んだときに、漫才の名コンビが出来上がるというものがある。

(中略)

漫才人間は、当意即妙のアドリブ芸が成り立つ生まれつきの漫才師タイプ。役者人間は、基本的に台本に忠実で、漫才以外にも俳優での才能を開花しやすいタイプとうことがいえる。

(中略)

この伝でいくとむろん上岡龍太郎は漫才人間で、笑福亭鶴瓶は役者人間ということになるだろう。

さきほど、原点と書きましたが、「パぺポTV」始まったのが1987年で、さらに原点があります。

それは、「笑っていいとも」のいちコーナーとして1984年に始まった、「タモリ・さんまの日本一の最低男」というものです。

こういった、2人がただ喋るという内容の番組は当時としてはありえないものだったそうです。

2009年9月11日に発売された「本人」vol.11にて、さんまさん自身がこのように語っています。

インタビュアー:昔「笑っていいとも!」で、さんまさんとタモリさんが延々雑談をするだけのコーナーがありましたけど、ああいう企画がテレビで成立する、ということを証明したのは、さんまさんとタモリさんが最初ですよね?

さんま:はい、ウチの師匠がよく口癖で、「雑談を芸にできたら一流や」とおっしゃってたんです。でも、雑談コーナーをやるって言ったときに、フジテレビならびに「いいとも!」スタッフは大反対でしたからね。

インタビュアー:まあ、前例がないので想像がつかないですもんね。

さんま:「テレビの歴史上ないことだからこそやらしてくれ」って言って。それ以前から「いいとも!」の後説でタモリさんと雑談してたんです。で、それがウケてたから「絶対いける」って分かってたんですけど、当時のテレビの常識では「成立はしても視聴率は取れないだろう」ってことだったんだと思います。今振り返ると恐ろしいですよ。毎週十五分もようやってたなって。僕もあそこでひとつステップアップできたし、やらしていただいたディレクターに感謝ですね。

お笑いナタリー さんまがたけしとタモリを語った「本人」の一部を独占掲載より引用

質問力は、雑談力とも言いかえることが出来、その雑談力を極めた「明石家さんま」「笑福亭鶴瓶」、この2人の話術の中には、質問力をつちかうためのヒントがふんだんに含まれていることは言うまでもないでしょう。

もっと、いろいろと書きたいのですが、まあ誰も興味ないでしょうからこの辺でやめておきます。

おわり

本の行方


K→→→→→そのちゃん

 

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