「リプレイ」 (新潮文庫) 杉山 高之 (著), ケン・グリムウッド (著)


~紹介した「たく」(男性)さんの記録~
(2015年12月05日読書会にて)

51FC14CS3ZL たく

主催者の感想というか勝手な妄想というか戯言


この作品は、タイトルが示す通りの内容だ。

内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま、彼は大金持に。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また―。人生をもう一度やり直せたら、という窮極の夢を実現した男の、意外な、意外な人生。

ジャンルでいうと、”ループ”もの作品。

この読書会でも、”ループ”ものの本が紹介されていないか調べてみたら1冊だけあった。それは、「七回死んだ男(西澤 保彦著)」という作品。このときの”感想というか勝手な妄想というか戯言”部分では、映画の「恋はデジャ・ブ」という作品を紹介した。

「恋はデジャ・ブ」では、主人公が同じ一日を永遠に繰り返すという”ループ”だが、「リプレイ」では、43歳から18歳に戻ってしまうようだ。

ここで、重要なのが”ループ”した際に記憶がどうなっているかということだろう。答えは言うまでもなくどちらもかつての記憶は残った状態で”ループ”している。記憶がなかったら、”ループ”を”ループ”と自覚せずに、過ぎ行く日常を繰り返し過ごしていることになるだろう。だから、いま自分が過ごしている日常も実は”ループ”して常に”リプレイ”しているのかもしれないなんて考えることも出来る。

例えば、日本の代表的な”ループ”もの作品である、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(監督 押井守)というアニメ映画があるが、この中の登場人物は無自覚、つまり記憶の蓄積なしに文化祭準備という1日を永遠に繰り返す。

あたるの通う友引高校は、本番を明日にひかえて文化祭の準備に大わらわ。だが……翌日になってもやはりあたるたちは文化祭の準備をしていた。実は友引高校のみんなは同じ日を延々と繰り返していたのだ。事態に気付いた担任の温泉マークと養護教諭・サクラは原因を究明しようとみんなを下校させるが、無事帰り着けたのはあたるとラムだけ。みんなは何度帰ろうとしても、友引高校に戻ってきてしまう。その間にも異変は起こり続け、ついに財閥の御曹司・面堂終太郎が自家用ハリアーを持ち出して空から現状を確認する事態に。すると、なんとそこには友引町を甲羅に乗せて中空をさまよう、巨大な亀の姿が…!!(allcinemaより)

この作品は、押井守監督作品2作目のもので1984年に公開されたものだ。その24年後の2008年に「スカイ・クロラ」が公開される。

原作は、ベストセラー作家・森博嗣による同名人気シリーズ。現代に似たもう一つの世界。平和を享受する人々は“ショーとしての戦争”を求め、それがビジネスとして成り立つ時代となっていた。そんな中、戦争請負会社のロストック社に所属する戦闘機パイロット、カンナミ・ユーイチはヨーロッパの前線基地、兎離洲(ウリス)に配属される。しかし、彼にはこの基地に赴任する前の記憶がなく、分かっているのは自分が思春期の姿で成長をやめ、空で死なない限り生き続ける宿命にある“キルドレ”であることと、戦闘機の操縦法だけだった。(allcinemaより一部抜粋)

この2作品の違いは、終わりが死であるかないか、同じモチーフとしては”ループ”ものであり記憶が蓄積しないということだ。

一方、「恋のデジャ・ブ」、「リプレイ」は、記憶が蓄積される。だから、死ねないという自我が生まれ死ねないがゆえの苦痛を味わう。これは、不老不死で永遠の命を手に入れても生き続けなければならない辛さと類似的なものだろう。

だが、「リプレイ」は、最終的にはループの終わりがあるようだ。何度も繰り返される生から、本当の死という終わり知ったときそれは喜びのほうが強いのだろうか。

本の行方


たく→→→→→ふみか

 

リプレイ (新潮文庫)

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杉山 高之 ケン・グリムウッド
新潮社
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