「スキップ」 (新潮文庫) 北村 薫 (著)


~紹介した「ふみか」(女性)さんの記録~
(2015年12月05日読書会にて)

515BBEWCBHL ふみか

主催者の感想というか勝手な妄想というか戯言


ひろし:今回紹介されてのは、「スキップ」という小説です。著者は、北村薫という方でございます。

順子:あんた、何勝手に喋りだしてるのよ。

ひろし:なに、言ってやがんだ。だいたいどういう間柄だよ。

順子:弟子と師匠の関係です。

ひろし:そうだよ。私が師匠です。

順子:私が大師匠です。

ひろし:何言ってんだよ。俺が師匠じゃねぇかよ。

順子:生意気な師匠だこと。

ひろし:師匠だから当たり前だろ。

順子:そんなことより、その本の内容を教えなさいよ。

ひろし:分かってるよ。オメェがいちいち口はさむからいけねぇんだろ。

順子:私だって、好きでやってるんじゃないんだから。

ひろし:うるせぇってんだよ。それじゃ、話すからよく聞けよ。“昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。

順子ひろしに襲われ、真理子の未来ある人生が奪われました。

ひろし:そんな話じゃねぇよ。

順子:あらやだ、あんたの実話じゃなかったの?

ひろし:馬鹿な事言うな。ちゃんと聞けちゃんと。“千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた・・・”

順子:レコードから聞こえてきたのは、「男はあなたひろし~♪」

ひろし:「女は君さ順子~♪」

順子ひろし:「切なさが胸に来る~♪」

順子:気持ちが悪いよ。ゴキブリみたいなツラして。

ひろし:ひでぇこと言いやがんなあ。

順子:それで、続きは?

ひろし:何がだよ!?

順子:さっきの話の続きだよ。早く言いなさいよ。

ひろし:・・・・。

順子:なに黙ってるのよ。

ひろし:どこまで言ったか忘れちまったじゃねえかよ。

順子:やっぱり、もうボケがはじまってるのね。この死にぞこないが。

ひろし:オメェが邪魔するからだろ。

順子:“レコードをかけ目を閉じた”の続きからよ。

ひろし:“目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ―。でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、≪わたし≫を生きていく。

順子:なに、満足げな顔してるのよ。

ひろし:いいじゃねえかよ。

順子:よかないわよ。あんたなんかいつもだまって突っ立ってるだけなんだからこれぐらい言えて当然でしょ。ギャラがこれで折半ってのがおかしいんだからね。八対一ぐらいでちょうどいいんじゃないの。

ひろし:八対一じゃ、数があわねぇじゃねぇか。残りの一はどうしたんだ。

順子:あんたの葬儀代よ。

ひろし:なに言ってやがんだ。

順子:うるさいわね。それより、この本の著者、北村薫先生は、まさに先生だったのよ。

ひろし:物書きだから先生だろ。

順子:違うのよ。埼玉の学校で国語の教師をやっていたの。あんたとは大違いね。こんな若い子をだまして舞台にあがらせて。(自分を指さす)

ひろし:好きでやってんだろ。

順子:好きなわけないじゃないの。

ひろし:じゃあなんだよ。

順子:介護よ。あんたがボケないように。

ひろし:うるせぇな。

順子:それで、この「スキップ」という作品は、“時と人”三部作と呼ばれている中の一つなの。ほかには、「ターン」ってのがあって、あと一つはなんだか分かる?

ひろし:・・・・

順子:分かんないの?

ひろし:分かりっこねぇだろ。

順子:わたしの気持ちよ。あんたに舞台あげられて・・・・

ひろし:嬉しかった?

順子:何言ってやがんだい。(ひろしの頭を叩く)

ひろし:引っぱたくなよ、ここにあった毛がなくなるんだよ。

順子:そんなの心配しなくていいのよ。これやるから。(順子の頭につけていた鳥の羽のような毛のついたカチューシャをひろしの頭にかぶせる)

ひろし:・・・・

順子:毛が生えてよかったじゃない。あんたの、頭みたいに私の人生も「リセット」したいわ。

おわり

※「スキップ」の内容に関しては、内容紹介より引用。

本の行方


ふみか→→→→→たく
スキップ (新潮文庫)

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