押入れのちよ (新潮文庫)  荻原 浩 (著)


~紹介してくれた「そのちゃん」さん(女性)の記録~

(2015年5月23日読書会にて)

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そのちゃん

 

主催者みずしまの感想


これは、いまから3年ぐらい前の話なんですけどね。

とあるところで読書会、しかも本を交換するという読書会をやっているところがありましてね。まぁいわゆる、オフ会なんていうものがありますけど、そんな集まりなんでしょうね。本好きが集まるというか。

そのときに、参加していた、仮にKさんとしましょうか。そのKさんは、何度か読書会というものに参加したことがあったんですけど、この本を交換するという読書会は、はじめてだったみたいで、前日から、

「あーどんな本持っていこうかなぁ」

なんて楽しみながら考えて、本棚のほうに目をやると、なんか、みょーうな違和感を感じたんだそうです。

「あーなんかイヤダなぁ。気持ち悪いなぁ。怖いなぁー」

自分でもなんだか分からないんですよね。とりあえず、適当に本を選ぼうとしていると、あるところで、目が止まったんですよ。

そこには、同じ本が2冊。

「あれー、なんか変だなぁー、おかしいなぁ」

と思ったんですけど、2冊あるからちょうどいいということで、とりあえずその本を一冊棚から、ガサガサっと取り出して、どんな内容だったか思い出そうとしたんです。

その本は、中学生ぐらいのときによく読んでる本だったということを思い出して、パラパラっと目を通して、その日は眠ったんですよ。

そして、読書会当日、その読書会は朝早いんでね、いつもより早起きして、まぁ急いでたということもあって軽く化粧をして、自分が持っていく本を鞄に入れて会場に向かいました。

会場はよくある喫茶店ですよ。あのチェーン店のドトールコーヒだとかあんな感じのね。事前に届いていた主催者からのメールによると会場内に、「交換読書会」と書かれた紙というか、看板のようなものを出しているといっていたんでね、会場について、それを探したんです。そのときですね、また、みょーうな違和感を感じたんです。

「あっ、これ、昨日のあの時と一緒だ・・・・」

なんか、気持ち悪くなってしまいましてね。でも、もう会場にも来ているんで、帰るのも「悪いなぁー」と思って、参加することにして、それで、看板を探すと、そこにあったんですよ。「交換読書会」と書かれた看板が。

主催者らしい人が近くに座ってたんでね、

「あのー、わたし参加するものなんですけど」

「あー、よろしくお願いします」

もうすでに、何名かの参加者も座っていて、みんな大人しい感じでいかにも本が好きそうな雰囲気だったんで、安心した気持ちになって、頼んだコーヒーをすすりながら、近くの人と軽く談笑したりして開始時間まで待ってたんですよ。それで、開始時間になったんですけど、

「あと、一人来たら始めます」

と主催者が言ったんでね、しばらく、5分ぐらいですかね待っていると

「あー、遅れてすいません」

最後の参加者がやって来たんですよ。髪がねー、スーッと腰あたりまで伸びた女性が。そのときにまた、みょーうな違和感を感じて、

「あーやだなー」

それで、もしかしてこの髪の長い女性とどこかで会ったことがあるのかもしれないと思って顔をじっくりみてみたんですけど、見覚えがないんですよ。

で、その女の人が来たんでね、読書会は始まって、その読書会自体はスムーズに進行して、髪の長い女性もよくある普通の現代小説なんかを紹介していたそうです。そして、最後の交換するときになって、主催者が、

「それでは、交換のほうにうつらして頂きます。その前に是非この人と交換したいという人はいらっしゃいますか?」

と言って、しばらーく間があって、髪の長い女性が私のほうを指さして、

「あなたの本が欲しい」

と言ったんですよ。Kさんは、ちょっと驚いたんですけど、まぁ交換するだけですから、

「あっ、いいですよ」

と、自分の本と、その髪の長い女性と本を交換したんですよ。

そして、それぞれが本を交換して、その読書会は終わり、Kさんは、

「あー、楽しかった」

なんて思いながら、その妙な違和感のことなんか忘れて、家に帰りました。

そして、家について、その交換した本をとりあえず、本棚に閉まって、そのあと、久しぶりに中学時代の友達と会う約束があったんでね、そのための準備をしてまた家を出たんですよね。

よくあるファミレスで、その友達と会って、みなさんもそうだと思うんですけど、そういった友達に会うと、やっぱり昔話にはなが咲きますよね。そこでこんな話が出たんです。

「そういえば、あんた覚えてる?」

こう聞かれたんです。

「えっ、何が?」

Kさんは、なんのことか全然分からなかったんでね、そう答えると

「えー、マジで忘れたの。あんたがさ、”ちよ”の本、私の本だって言って奪ったじゃん。しかも、そのあと自分のは家に合ったみたいなオチでさ・・・・」

「えっ、”ちよ”そんな子いたっけ?」

そしたら友達が、

「マジ、あんたってやっぱり昔からそういうところ変わってないねー。ほら、いたじゃん。すぐ転校しちゃったあの子だよ。髪が長くてさ。腰あたりまであって」

Kさんは、そのときに、ハッとしたんですよ。そして、今日の読書会のことが頭に浮かんで、

「なんで、そんな話急にするの?」

って聞いてみたんです。そしたら、友達が

「えっ、知らなかったの?昨日、ちよが死んだこと」

おわり

 

という風に適当にこわい話を作ってみた。適当に書いてみたので辻褄の合わなさはご了承願いたい。しかも、稲川淳二風の語り口調で書いてみたのだが、こういった遊びは飲み会の席なんかで昔よくやっていて、いきなり怖そうな話をアドリブで稲川淳二風にやるって遊びなんだけど結構楽しいので、お勧め。

さて、なぜこんなことを書いたかというと、今回の本が、どうやらホラー系の本らしいからだ。

あらすじを引用すると

失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。(AMAZONより

この季節にはなんともそそられるようなお話だ。また、”そのちゃん”さんが書かれていた、本の性格の部分で、「罰ゲームの辛子入りシュークリームのような」ということを書かれていたので、これはかなり面白そうだ。

 

最後に、稲川淳二のもっとも怖くて危険な話とされている「生き人形」を張り付けておこう。

この話を聞くと、様々な怪奇現象が起こる可能性があるらしいので、聞くか聞かないかは自己責任で・・・・・・。

 

本の行方


そのちゃん→たかはし