「天国旅行」 (新潮文庫) 三浦 しをん (著)


~紹介した「ヤマダ」(女性)さんの記録~
(2015年7月26日読書会にて)

51KdR-Y4mZL ヤマダ

主催者の感想というか勝手な妄想


この本は、自分も読んでいるものなので、なるほどなあと思いながら”やまだ”さんのお話を聞くことができた。

この本のタイトル「天国旅行」は、THE YELLOW MONKEYの楽曲タイトルから引用されたものである。冒頭にその歌詞が引用されている。

せまいベットの列車で天国旅行に行くんだよ

汚れた心とこの世にさよなら

そして、最後にはこう綴られている。

本書は「心中」を共通のテーマにした短編集である。

このように、死を扱った作品が、全部で7作品掲載されている。物語はどれも面白いが、楽しいといったものではなくどこか物悲しい。

ところで、自分の最後の結末というものを考えたことがあるだろうか。僕は、くだらない死に方が理想である。

例えば、

「ばぁちゃん。じっちゃんのうんち長いね」

「そうだね。ちょっと、覗いてみてご覧」

「はーい」

「ばぁーちゃん。じっちゃん、トイレで寝てるよ。スゲェ―臭いし」

「もう、おじいさんたら。いま、米研ぎ終わったら行くからね」

「わかったー」

しばらくして、

「おっ、おじいさん。おっじいさん・・・・・・・・・」

数日後、お葬式でお焼香をするときに。

「おじいさんは、最後まで迷惑かけたね。気張りすぎて死ぬなんて・・・・・・。あのままだったら私だって恥ずかしいからお尻を拭いたりで大変だったんだから・・・・・」

こんな死に方が、最高だと思う。

だが、もしここにおばぁさん、そして孫というような家族がいなかったらと考えたら少しばかりゾッとする。

天涯孤独の老人。久しく会話というものをしていない。ただ、繰り返される日常がわずらわしく続いているだけ。朝食を済ませると久しぶりの便意。ここぞとばかりに、気張っているとき頭の血管がぷっつり。こうやってぽっくりと死んだ。ひっそりと死んだ老人が、大家によって発見されたときは便器に座って腐敗した体と、乾燥したうんこ。

というか、なんでうんこに固執したのか分からないが、この結末は悲しすぎる。

死は2種類存在すると思うが、一つは自らの望みで死ぬこと。もう一つは、自らは望まずに死ぬこと。

人間は必ずいつか死ぬ。生まれたら死へのカウントダウンが始まっているといってもいいだろう。

そして、唐突に訪れる死には、それと付随して生き残った側の立場というのが存在する。

死を物語でない言語を用いて書くとよからぬ誤解を生むのでこれ以上は書かないが、一言だけ。死んだら、生き残った側の立場は分からない。だから、映画や小説を通じて考える、いや考えさせられるというのもいいのかもしれない。

あっ、最後にもう一言。うんこを流さないで死ぬなんていう無責任な死に方はやっぱりよくない。せめて、しっかり後の人、生きている人のことも考えて流してからにしよう。

おわり

本の行方


やまだ→→→→→Y.T

 

天国旅行 (新潮文庫)
天国旅行 (新潮文庫)

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三浦 しをん
新潮社 (2013-07-27)
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