「十角館の殺人」 <新装改訂版> (講談社文庫) 綾辻 行人(著)


~紹介した「Y.T」(女性)さんの記録~
(2015年7月26日読書会にて)

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主催者の感想というか勝手な妄想


この本は、交換して自分の手元にやってきたもの。著者は、綾辻行人さん。ミステリ好きな人にとっては知らなきゃおかしいぐらい有名な方らしい。この読書会で自分が紹介したことのある「凍りのくじら」の著者、辻村深月さんは、綾辻さんに憧れて、ペンネームに”辻”をいれたようだ。

ミステリは、東野圭吾著のものを何冊か読んだことがあるぐらいで、ほとんど読まない。とはいうものの、小説ではないミステリは好きだった。

それは、漫画、アニメ、ドラマのミステリである。ちょうど僕が、小学生の頃に始まった”体は子ども、頭脳は大人”で有名な「名探偵コナン」や、”じっちゃんの名にかけて”で有名な「金田一少年の事件簿」が好きで毎週欠かさず観ていた。

この、「十角館の殺人」は、コナンや金田一的な謎解き要素があり、あのころの気持ちに戻りワクワクしながら読み進めることが出来た。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。(AMAZON内容紹介より

最後のほうにページが進むにつれて、「なんとなくこいつ犯人じゃねぇの?」と思う人物が現れて、「俺の推理力舐めんなよ!!」なんて調子に乗っていたのだが、まさかあんな仕掛けだったとは・・・・・と、愕然としてしまった。

Y.Tさんが紹介してくれたとき、

「この作品は、映像化不可能だと思います」

とおっしゃっていたのだが、そのとき僕は正直なところ

「いまの時代、どんな壮大なものでも、CGとか発達してるし、お金さえあれば意外とできるんじゃないの?」

なんて思っていたが、たしかにこれは不可能だと痛感した。

ようは、映像や画像で構成されている、アニメ、漫画、ドラマでは絶対に不可能な仕掛け、活字ならではの表現がこの作品に仕掛けられていた。

これが、小説で読むミステリの醍醐味なのだろう。

本の帯に、

”たった1行”が世界を変える

と書かれている。まさにその通りで、あの一行でハッとした人は多いと思う。

ただ、それを成立させるための細かいディテールがあってのことだろう。

読み始めたとき、苛立った箇所があるのだが、それはミステリ研の連中の名前の呼ばれ方だ。それぞれ、アガサ、ポー、ルルウだとか名前がややこしい。これは、ミステリ研だけに、名だたるミステリ作家の名前からニックネームをつけている設定のようだが、「田中とか後藤とか普通の名前にしてくれよ、覚えにくい・・・」と苛立った。

だが、それにもちゃんと意味があった。この呼ばれ方なくして、この話は成立しなかったのだ。

あまり書きすぎるとネタバレになるので、この辺にしておきたい。

そんな仕掛けが満載なのが「十角館の館」。この物語は、”館”シリーズとして、

水車館の殺人「迷路館の殺人」「人形館の殺人」「時計館の殺人」「黒猫館の殺人」「暗黒館の殺人」「びっくり館の殺人」「奇面館の殺人」、というように発表されている。

残りの夏は、このシリーズを読むなんていうのもいいのかもしれない。

おわり

本の行方


Y.T→→→→→みずしま

 

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