「母性」 (新潮文庫) 湊 かなえ (著)


~紹介した「ゆき」(女性)さんの記録 ~
(2015年9月20日読書会にて)

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主催者の感想というか勝手な妄想というか戯言


「ねぇなんで、あんな男好きになるの?」

「なんか、母性をくすぐられるというかさぁー」

みたいな会話で「母性」という言葉はよく使われる。その他でも、出くわすことは多いだろう。だから、決して耳慣れない言葉ではない。

だが、これを小説のタイトルとしたものはこれしかなかった。

内容紹介

女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。(AMAZONより

著者は、”湊かなえ”さん。知ったかぶって、

「”そうかなえ”さんっていいよねー」

と言ってしまったことがあり、なんか変な空気になってしまったことを思い出した。

それはともかく、紹介された「母性」は、内容紹介をみる限り単なる、親子愛のお話ではなさそうだ。

さらに、ワークシートをみてみると、

「ドロドロした性格なので、いつもより心に余裕があるときに読むと」

と書かれている。

湊さんの作品を読んだことがないのだが、デビュー作「告白」の映画版は観たことがある。

かなり、衝撃的な内容だが、そういえばこの作品も「母性」を感じた。

といっても、かなりねじ曲がった「母性」だ。

松たか子演じる教師、森口悠子の娘が、自分の教え子に殺され、その生徒を復讐するという話だが、

森口悠子の「母性」はもちろんのこと、森口の娘を殺した生徒の母親の「母性」が常にまとわりつく。

「母親」という存在は、物語上重要な役割を占めることが多い。

ギリシャ神話に登場する「エディプス王」をなぞって、フロイトが「エディプス・コンプレックス」なんて言葉を作ったが、

これは、物凄く簡単にまとめると、

「母親を手に入れるために、父親に対抗心を抱く息子(娘)」という構図らしい。

そういった視点で物語をみると面白い。

例えば、エヴァンゲリオンなんかはその典型的な例だろう。

とか、書いてみたのだが、確実にいえることはこの小説の内容の「母性」とはだいぶかけ離れているということだ。

そのついでに、強烈な「母性」を感じるとともに最後に凄く複雑な気分になった映画を紹介しておこう。

ポン・ジュノ監督の「母なる証明」(2009年)という作品。

 静かな田舎町。トジュンは子どものような純粋無垢な心を持った青年。漢方薬店で働く母にとって、トジュンの存在は人生の全てであり、いつも悪友のジンテと遊んでいることで心配の絶えない毎日だった。そんなある日、女子高生が無惨に殺される事件が起き、容疑者としてトジュンが逮捕されてしまう。唯一の証拠はトジュンが持っていたゴルフボールが現場で発見されたこと。しかし事件解決を急ぐ警察は、強引な取り調べでトジュンの自白を引き出すことに成功する。息子の無実を確信する母だったが、刑事ばかりか弁護士までもが彼女の訴えに耳を貸そうとしない。そこでついに、自ら真犯人を探すことを決意し行動を開始する母だったが…。(allcinemaから引用

この作品を観終わった後は、しばらく落ちこんだ。いくら母の愛があっても・・・・と複雑な心境になった。

今回紹介された「母性」も、単純な「母性」ということではなく、「母性」とはなんなのかと考えさせられるものなのだろう。

こうやって、読書会を開けば開くほど読みたい本が出てくる。週休7日制にでもならないかなあ。あっ、それじゃあ働いてねぇじゃん・・・。

おわり

本の行方


ゆき→→→→→はな

 

母性 (新潮文庫)

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湊 かなえ
新潮社 (2015-06-26)
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